山梨県民のためのPFI
PFI法は国の財政難から民間資金の活用と公共事業の効率化のために作った法律と思われる。PFIは公共サービス提供の一つの手段であってPFIを導入することが県民利益にすべてつながるとは限らない。そこで山梨県民の立場でPFIを考えてみた。
PFI導入の大前提
1.県民のためにどのようなサービスの提供を優先して行うべきかを検討する。
2.PFIの適用によりVFMが達成されること。そのためには補助金の適用が左右されないこと。
3.補助金の出るPFI事業とでないPFI事業では施設整備費に対し国からの地方債措置、地方税措置、地方交付税措置が違うので慎重に検討する。
PFIは建設時に大きな資金が必要ない為、PFIに適した事業が他の必要な事業に優先して起こしやすい。これは必要のない事業を増やす結果となる。
PFI事業のメリット
1.公共事業に民間事業者の経営上のノウハウや技術力を活用できる。
2.設計、建設、維持管理、運営を一体的にあつかうことにより公共事業コストの削減と質の高い公共サービスが期待できる。
3.官民の適切な役割分担に基づく新たな官民パートナーシップの形成が期待できる。
4.県が行ってきた事業を民間事業者にゆだねることから、民間に新たな事業機会が出る。
5.公共事業と民間収益事業を組み合わせると新たな事業機会、ファイナンスマーケットの創設等、新規産業の創出が期待できる。
PFI事業のデメリット
1.PFI事業はどうしても大型事業となり、今までは設計、建設、維持管理等の県内企業に受注機会があったものが失われることが多くなる。
2.PFI事業の入札に参加するには多額の費用と専門知識が必要となる為、中小の県内企業では参加できない。
3.県内企業がコンソーシアムを作り参加しても国内大手企業コンソーシアムとの競争となる為、事業者として選定されるのは難しい。
4.県からPFI事業者への支払いは長期の均等払いになるので起債は抑制できるが固定経費の増大につながる。
5.PFI事業は建設時に大きな資金が必要ない為、県の予算規模相応の公共施設ではなく不必要なまでの大型公共施設になりやすい。